奈良市生涯学習教育財団が主宰の「奈良ひとまち大学」。
今回は、大好きなお寺「唐招提寺」で、
執事の石田太一氏より、
鑑真和上が伝えたコト・モノについての講義を受けました。
鑑真和上没後1250年。
今私達日本人があたりまえと思って使っている日常のもの、
日々食べているもの、よりどころとする考えなど。。。は
鑑真和上が中国からもたらしたこともたくさんあります。
仏舎利、や経典、仏像、仏画、掛け軸、屏風はもとより、
みそやチーズ、せんべい、お菓子、などや
現在は染料に使われている(ミロバランという名)呵梨勒(かりろく)という植物が
当時は薬(下剤・便秘薬)として、
それと同様に胡椒、蜂蜜も薬として持ち込まれました。
そして、鑑真和上と一緒に日本にやってきたのは
14人の優秀な弟子達と、
中国人だけでなく、ウズベキスタン人、その他大陸の国際色豊かな24人だったそうです。
鑑真和上は、当時の日本の僧侶達にきちんと戒を授け、
正式な仏教の僧侶にする為に招かれたわけですが、
その記録「唐大和上東征伝」には
1000セットもの受戒に必要な装束や付属品も船積みされて来た、
とあるそうで、
それだけの僧侶を育てようとした意気込みが読み取られます。
講義では、
鑑真和上とその弟子達が、自分達の知りうる全ての知識・知恵・文化・技術を命がけで
日本人に伝え、人を育てた事だけでなく、
お寺にある仏像達を見ても
一緒にやってきた大陸の名だたる仏師達が、
日本人の仏師にありとあらゆる技術と知恵を伝え、
人材育成しようとしたことがわかる、との事。
師匠の中国人仏師の作と、当時の日本人弟子の作、
彫りの細かさが違ったり、
力強さが違ったり・・・と。
奈良時代のお寺の建立は
まさに国際交流の舞台、そして学びの場だったんですね。
お寺や仏教が、
「お葬式」のイメージではなく、
これからを生きていく 後の世代の人の為の場所だった事に
奈良のお寺の魅力を感じます。