最近、脳の事をいろいろ調べていくうちに、こんな人に行きあたりました。
Barbara Arrowsmith-Young と言うカナダ人。
彼女は小さい時から学習障害(脳に欠陥がある)と診断され、
つらい幼少期、子供時代を経て、自殺未遂まで経験し大人になりました。
彼女の「障害」とは、
mental block (
思考の遮断 )と呼ばれ、
時計が読めない、 人の関係性がわからない、 抽象的な事が理解できない、
物事の理由などが全く理解できない、走って来る車の距離感が分からない等々。
一方、聴覚・視覚でとらえたものはパーフェクトに記憶することができました。
ただ、それの持つ意味を統合して理解することなく。
そして26の時に、戦争で脳を損傷したロシア人兵士を研究した ロシア人神経心理学者の本に出会います。
その兵士は
Barbaraと同じ状態を生きていることがわかり、
脳のある同じ部分が機能していないことを知ります。
また時を同じくして、彼女は アメリカ人研究者の行ったマウスでの実験の発見を知ります。
それは、刺激の多い環境、例えば回し車やおもちゃなどを置いたケージ(
cage)におかれたマウスと
そうでない環境に置かれたマウスの脳を比べると、
あきらかに前者の方の脳がよく発達していることがわかったということです。
そして、彼女は自分の機能不全の脳の部分も刺激をすれば回復するのではないかと考えて
独自に
exerciseを考えだします。
最初は読めなかった時計を読むこと:長針と短針の2本の針から始めて、秒針さらにはもっと細かく、
針をさらに増やしたり、日付をいれたり・・・などから。
そういった猛特訓を一日8~10時間繰り返し、3-4カ月が経ったあるとき、
突然、目にとまった心理学の本が全て理解できるようになっていました。
今まで抽象的なこと、意味がつながらなかった断片的な情報がすべてつながり
意味をなした瞬間でした。
彼女の脳が変化し、機能をし始めたのです。
この経験から、彼女は脳は持って生まれたもので変えられないのではなく、
後からでも刺激によって変わることができる、と証明しました。
そして、彼女と同じように「学習障害」だと診断され、
沢山の可能性の道を狭められてしまった子供達を救うために1980年に学校を設立しました。
現在はカナダとアメリカを中心に世界的規模で学校を運営し、
ADDやADHDといった子供達を脳のトレーニングによって正常化することに成功し、
子供達の夢へと導いているそうです。
人間の脳の不思議。
「脳の障害」ではなくても、
どんな人にも言えることがあるな~、と思います。
持って生まれたものだから変わらない、のではなくて
自分の思い方のクセのようなものを知って、
そこを変える努力をすれば
自分自身の身体を変えることができる。
身体が変われば精神が変わる、ということにつながると。
脳を含めた人間の計り知れない可能性と柔軟さ。
本当に面白いです!
もっと詳しいことを知りたい方はこの本を。そしてその記事は
こちら↓